2011年03月29日

祝い事

ご無沙汰しております、TONOですface01

先日、保育園完成のお祝いに「餅まき」を行うということで、参加させて頂きましたface02

まず餅まき(又は餅投げ)とは、上棟式などの神事に際して集まった人々へ餅をまく行事です。
由来は上棟式(建前)などで災いを払うために行われた神事である散餅の儀が発展的に広まったもので、神社での祭事においても餅まきは行なわれていました。

典型的な餅まきは、上棟式を終えた後、建設中の住宅の屋根などから餅をまく形式です。
(今回は餅まき用に作られた足場から投げられました)
1980年代以降、建て売り住宅の一般化、近所づきあいの希薄化などのため上棟式自体が減少したが、餅まき自体は神社や地域の祭りなどの際に、今でも祝い事として行われているそうです。

当日用意されたもちは、なんと5俵分!!!
米一俵が60kgということなので、300kg分!!??
想像もつきませんface08

さて、ここからは当日の模様を写真でご覧下さい

この保育園に通う子供さんから、保護者の方、近所のおじいちゃん、おばあちゃんまでたくさんの人が集まりましたicon12


今か今かと、待ちわびる子供たち


一生懸命もちをひらってます


お待ちかね!大人の部です♪


たくさんのおもちが空を舞ってます
投げる方々も大変icon10


これだけのおもちがあったんです!!


投げる方々はあちこちからの「こっち投げてー」のラブコールに応えるのに必死
拾う方も、上を見上げて、下のもちをひらっての連続で大忙しface03
中には顔や頭にもちが当たって泣いていたお子さんもいましたが、最後はたくさんのおもちを手にしてにっこり
嬉しそうな子供達を連れて、周りの方もにっこり
保育園に関わる人だけでなく、地域に住む方々までたくさんの方が参加された餅まきは、大盛況で幕を閉じましたface05

冒頭にもありましたが、近年こういったお祝い事は近隣との関係が希薄になっていて、なかなか行われていません。
しかし、保育園の呼びかけに、これだけたくさんの人が集まって参加していただけた事は、大変喜ばしいことでしたface02

今日はこのへんで。
  


Posted by 田渕設計 at 18:37Comments(0)staffブログ

2011年03月24日

東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)2

私の妻は大学病院の救命救急で勤務しています。
DMATという災害派遣医療チームの一員でもあります。
被災地への出動の要請があり、妻の同僚の方が第一陣ですぐに、
和歌山を出発しました。

妻から、〇〇日から被災地に向かうかもしれない
と言われたとき私は、
みんなの為に是非頑張ってきて欲しい。
という思いと、
原発のこともあるから、断れるなら断って欲しい。
という思いが正直、せめぎ合いました。

公的な言葉と私的な言葉とでも言うのでしょうか。
本音と建前、とは少し違う気がします。

テレビを観ていると、
私的な言葉をグッと押さえて、
公的な言葉を発している方が多いような気がします。
強がりなんかではなく、前向きに希望を持って。

(つらい。つらいけど、でも、)
頑張ります。必ず復興します。

という後者の言葉を。

私の知っている人にも(比較するのも恐縮しますが)、
何かあるとすぐに、前者の言葉、
恨み辛み、不平不満、自分がいかに不遇か、
だけを口にする人がいます。
そしてすぐにキレるか他者のせいにし、攻撃する。

最近の日本人は駄目だ。
昔の日本人は立派だった。
日本人は堕落した。
なんて評論も見た気がします。

でも、
でも本当に日本人で良かったと思います。

この私的な言葉と、思いを飲み込むからこそ、
外国のような暴動も、略奪も起きないのだと思います。

自分の為に(私的)を置いておいて、
皆のために(公的)を考える。

ハリウッドなんかはそんな映画が多いのに、
アメリカ人は、今の略奪のない日本の状況に驚いています。
まあ、だからこそ映画になるのかもしれませんが。

妻の同僚の方が帰って来られ、
テレビでも報道されていましたが、
和歌山で同様の震災が起きたとき、
ヘリコプターが不可欠だ、夜間の発着も出来るようにしなければならない。
というような意味のことを言っていました。

和歌山にはドクターヘリがあるのですが、
日没以降は飛べないのだそうです。
いろいろ問題があるらしいのですが、
とにかくヘリポートに夜間照明がないと話にならないとのことです。

この同僚の方はまさしく、皆のためにこう言ったのだと思います。
現地の活動報告だけでなく、被災地の状況の報告だけではなく。
被災地は大変な、悲惨な状況だったけれども、
これからのためにも、和歌山のためにも、被災地での経験をいかそうと。

被災地の方への義援金などの協力はもちろんですが、
この大震災を他山の石とするよう、頑張るのも、
近い将来必ず地震がおこる地域に住む私たちの大切な役目ではないしょうか。

被災地から和歌山へ移ってきている方もおられるようです。
そんな方たちが和歌山で再び、という悲惨なことにもならないよう、
へリポートだけでなく、避難所等の整備、避難体制についても、
皆で考えていかなければならない問題だと思います。

喉元過ぎれば、とならないよう、
被災地の方たちのあの絶望と哀しみを、そして希望を忘れないよう、
私たちも頑張っていかなければなりません。

ツイッターにこんなツイートがありました。



今日被災者に電話インタビューした。
家を無くした40代の女性が言った。

「私達は他人の幸せや喜びをねたむほど落ちぶれてはいない。

皆さんどうぞ我慢せず楽しい時は笑い嬉しい時は喜んでください。

私達も一日も早く皆さんに追いつきます」
  


Posted by 田渕設計 at 19:42Comments(0)キダ

2011年03月21日

東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)

連日、テレビで報道されていますが、

地震の映像、
津波の映像、
避難所の映像、
原発の映像、
救出の映像、
哀しみの映像、
喜びの映像、
励ましの映像、
震災と関係の無い映像、
CM、
どれを、何を観ていても言葉を失ってしまいます。

今回の震災から、今日までのことをどのように理解すれば良いのか、
正直わかりません。

このエッセイが、なんとなくしっくり来たので良かったら読んでみてください。

『危機的状況の中の希望』村上龍
http://www.nytimes.com/2011/03/17/opinion/17Murakami.html?_r=1
↑(英語)

http://www.timeout.jp/ja/tokyo/feature/2581
↑(日本語訳)


私の3月11日を記録しておきたいと思います。

私の事務所は和歌山市内の築港という街にあります。
紀の川河口すぐ近くです。
鉄骨2F建ての事務所がゆっくり大きく揺れました。
最初は目眩かと思うような揺れでした。
そして、スタッフ皆でテレビを観ました。
まさに地獄絵図でした。
車がおもちゃのように流されていくさまを、
皆で呆然と眺めていました。

そして、和歌山市にも大津波警報が発令されました。
予想される津波の高さは3mです。

津波が発生するかもしれない、のではなく発生しているのです。
何センチであろうが何メートルであろうが、確実にやって来るのです。
東北地方の津波がこちらにも。

すぐに、事務所のスタッフ全員避難することにしました。
消防車も避難しろと走りまわっています。
防災放送も、幾度と無く津波のことを言っています。

どこに避難すれば良いのか。
避難場所である小学校の体育館に逃げても、テレビに映る津波だとひとたまりもない。
近くて頑丈で高い建物。

和歌山県庁の南別館に逃げることにしました。
建物も高いし、耐震性もOKだということで、決めました。

スタッフが全員事務所を出発し、
私が、
(こんなコトしてると駄目なんでしょうが)、
いろいろ持てるものをカバンに突っ込んでいると、
電話がなりました。

和歌山県庁からでした。
震災に全く関係の無い、仕事の連絡でした。
何考えてるんだと思いながら、
「今避難中なのですが」
(そっちが避難しなさいと言わなければならない側だろう)
と少しイラッとして電話を切るとすぐに、
再び電話がなりました。
今度は大阪の人材派遣の営業の電話です。
同様に、「避難中です。」というと、
え?そちらはそんなことになっているんですか、と言って驚いて、
向こうから電話を切りました。
そして私も事務所を後にしました。

県庁に着いても、何も変わり無く、
職員の方たちが、テレビに釘付けでした。

私たちを見ても、何だこの人達、という感じで横目で見るだけでした。

そして、和歌山市に津波が到達しました。
70cmでした。

それを確認して、今日は明るいうちに皆、帰ろうということで、
事務所に戻りました。
私は持ち出してしまったサーバーの復旧で、大変でした。  


Posted by 田渕設計 at 19:53Comments(0)キダ

2011年03月09日

みなさん知ってますか?

和歌山県景観条例というのが今から2年前の平成20年に制定されてます。
もしかしたらご存じの方もおられるかもしれませんが、
和歌山県のHPにはこう書いてあります。

『良好な景観形成のために、県や県民等が守るべき責務、
景観形成の基本となる景観計画の策定および運用のための必要事項、
届出対象となる行為、景観審議会の設置や運営などについて規定しています。』

これはまあいいとしましょう。
さて、具体的な中身です。
条例の建築物についての基準を抜粋すると、

・山稜の近傍では稜線や背景との調和を乱さない位置及び規模とすること。
・市街地や集落地では隣地や周辺の建築物等との連続性に配慮した位置及び規模とすること
・道路、公園等の公共の場所に接する部分は圧迫感や威圧感を感じさせないような位置及び規模とすること。
・周辺の景観と調和し、全体としてまとまりのある形態及び意匠とすること。
・市街地や集落地では隣地や周辺の建築物等との連続性に配慮した形態及び意匠とすること。
・落ち着いた色彩を基調とし、周辺の景観と調和した色彩とすること。
・アクセント色を使用する場合は色彩相互の調和や使用する量のバランスに配慮すること。

まあ、こんな感じです。ほかにも色々書いてます。
さあ、この基準に基づいて一体全体誰が判断をするのでしょう。
この建物は良いがこの建物はダメと誰が決めるのでしょう。
というか、誰がそんなこと決められるのでしょうか?


「この建物は周辺に配慮した意匠である。」
「この建物は調和している。」
「この建物の色彩バランスは悪い」

さあ、誰が判定するのでしょう。
素晴らしいセンスの持ち主です。
建築も含めて各デザイン賞は総ナメでしょう。
羨ましい才能です。
世界各国から仕事の依頼殺到です。


条例です。
誰かが判断を下さいないといけません。
苦悩し、七転八倒し、もがき苦しみ、苦渋の決断を下さなければいけません。
非常に責任の重いことをしなければいけません。

さあ、誰がそのプレッシャーを引き受けてくれているのでしょう。

まさか神様?
いやいや独裁者?
あるいは大学教授?
それとも建築家の大先生?
やっぱり芸術家の大先生?
なってったって我らが楳図かずお大先生?

なんと、なんとですよ。
一介の県職員ですよ。
何年かに一回違う部署に移動する方たちですよ。

和歌山県の景観を司る神様は、
おそらく受賞歴も何も無い県職員ですよ。
びっくりですよ。
もうホントびっくりですよ。
事なかれ主義の代表選手、公務員ですよ。
屋根は緑、壁はベージュか茶色のタイル
こんなのばっかりですよ。
役所の建物こんなのばっかりですよ。
うちもやってますけどね、
こんな色にしたがるんですよ、役所の人って。

緑に溶け込む = 緑の屋根
ですよ。
落ち着いた色 = ベージュ
ですよ。
実績があるからでしょう。
クレームがないという実績ですね。
とんでもなくネガティブな理由です。
おもいっきり後ろ向きです。
全力で逃げてます。
正しい逃げ道なんてないのに、探します。

自分の子どもなら殴り飛ばしますね。
生きてて楽しいのかと。


閑話休題。


こんな建物や



こんな建物を


良いと言える勇気があるのか、
そもそも、善し悪しがわかるのか、
そんなことよりもこの写真の建物を知っているのか・・・。

こんな条例知ってましたか?  


Posted by 田渕設計 at 21:09Comments(0)キダ