2011年03月09日

みなさん知ってますか?

和歌山県景観条例というのが今から2年前の平成20年に制定されてます。
もしかしたらご存じの方もおられるかもしれませんが、
和歌山県のHPにはこう書いてあります。

『良好な景観形成のために、県や県民等が守るべき責務、
景観形成の基本となる景観計画の策定および運用のための必要事項、
届出対象となる行為、景観審議会の設置や運営などについて規定しています。』

これはまあいいとしましょう。
さて、具体的な中身です。
条例の建築物についての基準を抜粋すると、

・山稜の近傍では稜線や背景との調和を乱さない位置及び規模とすること。
・市街地や集落地では隣地や周辺の建築物等との連続性に配慮した位置及び規模とすること
・道路、公園等の公共の場所に接する部分は圧迫感や威圧感を感じさせないような位置及び規模とすること。
・周辺の景観と調和し、全体としてまとまりのある形態及び意匠とすること。
・市街地や集落地では隣地や周辺の建築物等との連続性に配慮した形態及び意匠とすること。
・落ち着いた色彩を基調とし、周辺の景観と調和した色彩とすること。
・アクセント色を使用する場合は色彩相互の調和や使用する量のバランスに配慮すること。

まあ、こんな感じです。ほかにも色々書いてます。
さあ、この基準に基づいて一体全体誰が判断をするのでしょう。
この建物は良いがこの建物はダメと誰が決めるのでしょう。
というか、誰がそんなこと決められるのでしょうか?


「この建物は周辺に配慮した意匠である。」
「この建物は調和している。」
「この建物の色彩バランスは悪い」

さあ、誰が判定するのでしょう。
素晴らしいセンスの持ち主です。
建築も含めて各デザイン賞は総ナメでしょう。
羨ましい才能です。
世界各国から仕事の依頼殺到です。


条例です。
誰かが判断を下さいないといけません。
苦悩し、七転八倒し、もがき苦しみ、苦渋の決断を下さなければいけません。
非常に責任の重いことをしなければいけません。

さあ、誰がそのプレッシャーを引き受けてくれているのでしょう。

まさか神様?
いやいや独裁者?
あるいは大学教授?
それとも建築家の大先生?
やっぱり芸術家の大先生?
なってったって我らが楳図かずお大先生?

なんと、なんとですよ。
一介の県職員ですよ。
何年かに一回違う部署に移動する方たちですよ。

和歌山県の景観を司る神様は、
おそらく受賞歴も何も無い県職員ですよ。
びっくりですよ。
もうホントびっくりですよ。
事なかれ主義の代表選手、公務員ですよ。
屋根は緑、壁はベージュか茶色のタイル
こんなのばっかりですよ。
役所の建物こんなのばっかりですよ。
うちもやってますけどね、
こんな色にしたがるんですよ、役所の人って。

緑に溶け込む = 緑の屋根
ですよ。
落ち着いた色 = ベージュ
ですよ。
実績があるからでしょう。
クレームがないという実績ですね。
とんでもなくネガティブな理由です。
おもいっきり後ろ向きです。
全力で逃げてます。
正しい逃げ道なんてないのに、探します。

自分の子どもなら殴り飛ばしますね。
生きてて楽しいのかと。


閑話休題。


こんな建物や
みなさん知ってますか?


こんな建物を
みなさん知ってますか?

良いと言える勇気があるのか、
そもそも、善し悪しがわかるのか、
そんなことよりもこの写真の建物を知っているのか・・・。

こんな条例知ってましたか?


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Posted by 田渕設計 at 21:09│Comments(0)キダ
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